(今回の記事は、音楽経験者の方々にすれば色々突っ込みどころの多い内容かと思います。どうぞお手柔らかにお願いいたします。)
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【目標】DAWで映画音楽の耳コピに挑戦する。
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【動機】
これまでギターを弾いたりバンドを組んだり作曲をした経験などありません。
ただ、幼少期からハリウッド映画からドラマ、アニメ、ゲームのサントラ・テーマ曲ばかりよく聞いていました。
いくら時が経ってもそのサントラを聴くと当時の映画を見たときの感情が思い起こされます。
最近、そのパッションがちょろちょろ溢れてきて、製作側の世界に関心を抱きました。
今回は、パソコンで音楽を作る、DAWを使って、実際にサントラを自分も真似して作りたい、あわよくばその技術、世界、さらなる魅力を知りたいという気持ちでふわっと試してみます。
一応期限を決めて1か月、予算0円~1万円を限度と設定します。
真似する楽曲は、Michael Giacchinoが手掛けた、MedalOfHonorAlliedAssaltのMainThemeです。
Michael Giacchinoは、ミスターインクレディブルやジュラシックパーク、リメンバーミーなどビッグタイトルを手掛ける超ド級の作曲家、彼自身まさにミスターインクレディブルな大物です。
そんな彼がハリウッドの目に留まったきっかけは、MedalOfHonorAlliedAssaltのMainThemeと言われています。
そこで、今回はこの曲を題材としてDAWで製作することで、彼の、楽曲のすごさの鱗片をちょっとでも感じたいと思います。
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【全体像・軌跡】
①曲の構成要素を知る(使用楽器・リズム・音程)
⇒MuseScoreで簡易曲の楽譜はゲット⇒しかしファンメイドの簡易版(ホルン、トランペット、ピアノのみ)だった。
⇒オーケストラ動画を見る。⇒ 解像度と撮影角度の問題で楽器分からない。オーケストラの楽器配置図ググッたが結構違う。
⇒原曲聞く⇒ヴァイオリン、大ドラム、高音笛、トランペット、リコーダー系、スネアドラム、トロンボーンetc。
⇒数社、採譜の見積もり依頼をして幸運にもおおよそ楽器が判明
②DAWを使う
ソフト選び
⇒DP10体験版 英語わからんちん
⇒Cakewalk by Bandlab エラーが解消しない
⇒Cubase体験版 いけた('ω')ノ + オーケストラ無料音源追加
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【参考にしたサイト】
音源
オーケストラバージョン
DAWソフト使う前に
【楽曲管理】作曲家にオススメのデータ管理方法 - 【業界のトップの作曲家が多数】音楽スクール&情報サイト-MusicViral
プラグイン音源関係
フリーのオーケストラ音源5選!無料で使える優秀なプラグインまとめ【DTM】 │ サッキーのさっきの出来事
Spitfireの無料音源「LABS」シリーズはとりあえず入れて損なし | 直伝・サウンドクリエイターへの道
https://thehomerecordings.com/free-orchestral-vst/
Download Free Orchestral bells plug-in: BellsEbuth by Alan ViSTa
Kontakt(DAWやるときに追加で起動するソフト。ライブラリ管理専用、これ使う音源がある。無料版は大きな機能制限有)
Kontaktとは? | サードパーティ製ライブラリとは? - 3dBアゲてみた
プラグイン音源導入方法
採譜・楽譜について
採譜外注(数社依頼した中ではこちらが一番良心的なお見積りでした。)
気になるサイト
こおろぎさんち – 音楽、映像、ゲームを繋げ、クリエイターをお手伝いしたいメディア
DTMを独学するコツ・方法。学習におすすめなYouTubeチャンネルも紹介! │ サッキーのさっきの出来事
https://twitter.com/m_giacchino
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【振り返り】
・曲自体が複雑怪奇です。複数の音色が絡み合ってます。聞いてる分には心地良いけど、真似しようとするとその高くそびえる壁を痛感しました。ボルダリングなら90度を優に超えた壁です。対し私は登る手がかりすら見当たりません。
・DAWソフトは、迷わずDigitalPerformer10体験版を選びました。Michael GiacchinoがDP10Pro版を一番長く使っているという情報を得たからです。ただ、結論からいうとDigitalPerformerは途中で断念しました。Windows版の日本語解説情報が枯渇状態です。(一応、ソフト付属のPDFマニュアルは日本語対応ですが1000ぺージ強あります。)続いて選んだのは、Cakewalk by Bandlab。こちらは起動の段階で躓きました。インストール後立ち上げる度に「オーディオエンジンのドロップアウト」(エラーコード0)が発生。英語と日本語サイトを見ながら、バッファ値変更から再インストールまで試しましたが解決しないため辞めました。(CPU使用率20%弱、オーディオ競合なし)
そして、最後に選んだCubase体験版でようやくスタートを切りました。
始める前にだいぶ体力を削られてしまいましたが、その後は原曲をDAWで読み込んでビートを合わせてから、1つ1つ打ち込み作業をしました。途中ちょこっとプラグイン音源にも手を出しましたが、オーケストラル音源自体少ないので、結局Sketch Trumpet以外はデフォ音源を使いました。2日かけて主旋律だけの曲ができました。
恥ずかしいことに、ここまできてようやくオーケストラ曲の耳コピの難しさに気づきました。自身の能力的にこれ以上の独力耳コピに限界を感じたのでここで満足とします。
好きな曲の楽譜さえあれば、DAWで気軽に真似できることが分かりました。(ミキシングは無理かな。)
ただ、音楽を表面をなでただけでその中身神髄を知ることは到底及びませんでした。映画音楽の技術的表現的すごさをもっと詳しく知りたいと思った次第です。
MOHAAメインテーマは、
序盤から中盤にかけてはキャッチ―なメロディを各楽器が代わる代わるバトンを引き継ぎながら演奏されます。
そして、終盤ですべて楽器が集まり大きなメロディを奏でます。
軍隊は戦闘兵や衛生兵、工兵など様々なエキスパート達が集まって構成されています。
まるで、楽器それぞれが彼らエキスパート達であり、
代わる代わる演奏していく様子はバトンを渡しているようでした。
終盤ですべての楽器が同時に演奏するのは、
彼らの期待とか不安、恐怖、高鳴りやそういった思いが全て1つとなったんだと、
そこに私は揺り動かされるような気持ちを抱きました。
また、この曲の印象として、
トランペットのメロディが最初と最後に配置されていて、
作品全体にインパクトとメリハリを与えていました。
冒頭のチューブラーベルは、Pirates Of Carribeanの hoist the colorsと似た雰囲気で、
無音よりもむしろ強調された感じ、
何か大きなことが始まる前の嵐の前の静けさみたいなものを感じました。
hoist the colorsはこれから海賊たちの絞首刑を予期させます。
チューブラーベルの音はほんの一部ですが、
この音は時計台の時間を知らせる音に聞こえます。
これから巻き起こる嵐が刻一刻と迫るような緊張感になるのではないでしょうか。
思うままにつらつら書きましたが、
もし全楽器の楽譜(総譜やオーケストラフルスコアというらしい)が得られれば、
もっと作品の深いところが見れるのではないかと思いました。
オーケストラ音源の採譜を外注すると当然パート数の関係で金額は張るそうです。